「今回はWSSについて解説しようか」
「だぶるえすえす……?」
「ウィザード・サーヴァント・システムの略だよ。脳内埋め込み式のチップのこと」
「脳みそに入れるのか……」
「今はそれが一般的ですものね」
「何をする道具なんだ?」
「昔は魔術を行使するために魔方陣を描いたり、長い詠唱をする必要があったんだ。でも、その手間を短縮して短い言葉で命令することで魔術を行使させることに成功したのがWSS……だったはず」
「『(WSSの名前)、燃やして』とかそんな感じでオーダーするらしいわね。私、魔術適正ないから良く分からないけど」
「名前を付けるんだな」
「型番のままでは呼びにくいし、愛着を持つ人も多いからね」
「確か……何度も訓練して体に覚えさせた術式でないと登録できないんでしたよね?」
「そうだね。だから魔術の習得自体の負荷が減ったわけではないけど、必要な苦労だと思う」
「ふむ……WSSに、人格はあるのか?」
「ないわよ。法律で禁止されてるから。でも、アバターをつけたりする人はいるわね」
「あばたぁ……」
「要は、萌え美少女とかマスコット的なカワイイキャラクターをホログラムで見えるようにする人もいるってこと」
「上級者ですね」
「色んな意味でね」
「話を戻すけれど、WSSを行使するためには、高速詠唱を身につける必要もある。悠長に喋っていたのでは戦闘が成り立たないからね」
「そうですね。同時に、相手の高速詠唱を聴きとれる技術も」
「大変なんだな……」
「まぁ、そうね。それに比べてエフェクトチップはゆっくり喋っても問題ないから助かるわ」
「エフェクトチップ?」
「WSSが使えない非適合者のための、脳内埋め込み型チップよ。誰でも使えるけれど、値段が高くて使える術式も限られてる」
「そんなものもあるのかぁ……」
「一番有名なのが『武装召喚』でしたね。離れたところから武器を取り出す、という」
「それだけでも、昔の人から見たら奇跡なんだろうね」
「今の社会は発展していますね……」
「いや、数百年眠っていた私はともかくお前は現代社会の常識知っておかなきゃダメだろ」