「今日は基本を振り返ろうか。英雄と聖女についてだ」
「百年に一度、終焉に向かう世界のための生贄が聖女。それを処する役目が英雄――ですね?」
「英雄が赤版における私とレニ、青版においてはクリア。両作品共通で聖女がトワね」
「メタな話を急に持ち出してきたね、リセエンヌさん」
「ちなみにこのコーナーは赤版でも青版でもない謎時空が舞台だぞ!」
「聖女も英雄も、性別は問わないって感じだったね。クリアも聖女候補だったんだよね?」
「はい。俺はベルさんに引き取られたので候補から外れて、ストックとして何百年も前から眠っていたトワが聖女に選ばれたんです」
「私は一応女性として初の英雄らしいわ」
「確か、前回言ってたけど英雄の手によってしか聖女は処せないんだったっけ」
「その通り。だからある意味最悪の運命の相手なんだ」
「運命を変えたい。だから俺、頑張るよ」
「嫁……」
「俺のこと嫁って呼ぶのやめてくれない!?」
「外見が清楚系美少女だものね」
「……ぐぬぬ……いつかぎゃふんと言わせますよ……」
「仲良しさんだね。いや、仲良しだからこそ救いたいのか」
「その通りです。トワがいる未来を諦めきれない」
「……そっか」
「でも……なんだか時々、世界の人々が怖くなる時があるんです。みんなトワの死を望みながらもチヤホヤと褒め称える」
「確かにそうね。膨れ上がった民意というやつはいつだって恐ろしいものだわ」
「そういうものだろう、人間って」
「断頭台のロープを全員が握っていて、笑顔と共にせーので手を離そうとしているって感じか。確かにそれは怖いね」
「俺はそんなの間違ってると思います。だから、トワを救いたい」
「右に同じ」
「……愚かな奴らだな」
「でも、愛おしいでしょう?」
「……うん」